【感想】八十八ヶ所巡礼「泥春」

 不意にアップされる八十八ヶ所巡礼の新曲。なぜこのタイミング? と思ったが、天皇誕生日に合わせているのかもしれない。そういえば愛国心とか歌ってますしね。

 「狂感できない」なんかがそうだったが、最近の八十八ヶ所巡礼は相変わらず刺激的でありながら、経験の積み重ねからなる渋みというか深みが出てきて、なかなかに雰囲気の良い曲を出していると思う。それこそ上手く猫をかぶってくれればUSENで流れたときにいろいろな人がおっと耳を傾けてくれそうなくらいには。

 今回の「泥春」はまさにそんな渋みを感じさせる曲となっていて、「もうすぐ春ですね」と歌うマーガレット廣井のボーカルは妙に哀愁を漂わせ、色気を感じる。春の訪れを告げてはいるが、朗らかな感じではなく、葉の落ちきった樹木を眺めながら季節の変化に気づくときのようなそんな時間の流れの無情さを感じさせる音が鳴る。

 しみじみとした味わいのある曲で思わず聴き入ってしまった。

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