【名盤】八十八ヶ所巡礼-『攻撃的国民的音楽』

 八十八ヶ所巡礼の5枚目のアルバム。

 アルバムのタイトルからして『攻撃的国民的音楽』とある通り、凄まじい破壊力を持った作品となっている。平均して3分前後の曲が多く、怒涛の勢いで駆け抜けていくため、通しで聴いても30分弱という攻撃力に特化したような内容である。前作、前前作と重量感のあるアルバムが続いていたため、ここに来ての火力全開な本作は最高に痛快だった。

 M1″赤い衝動-R.I.P-“では歌謡メタルとでも言うような幕開けからエンジンを温めていく。

 M3″攻撃的国民的音楽”はタイトル曲でもあり、破壊力の高い激しさを全開にしながらも、中毒性の高いとっつきやすさも込められた、まさに文字通り攻撃的で国民的な音楽となっている。1st2ndの良さに3rd4thで手に入れた表現力をミックスさせた、これまでの旨味を濃縮したようなアルバムとなっている本作だが、それを象徴するようなキラーチューンである。

 アクセルを踏みっぱなしにしたままアルバムは進んでいくが、最後に待ち構えているのはM8″エイトビイトな人々”だ。クールダウンのような穏やかさを含みながらも、しみじみと噛み締めたくなる優しさも感じられる。

 個人的に八十八ヶ所巡礼のアルバムの中で一番好きなのが本作『攻撃的国民的音楽』である。激しさや中毒性の高さ、アルバムとしての統一感、総合的な完成度の高さという意味で、おそらく一番聞き返しているアルバムだと思う。このアルバムから入っても全然楽しめるだろうし、ぜひ聴いてほしい。

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