私的2022年邦楽ベストトラック5選

 2022年もなんやかんやで色々聴いたりあるいは聴かなかったりしていました。どうしても昔の名盤なんかを聴き漁ったりしている時間の方が多くなってしまっていた年でしたが、そのおかげで今の音楽に通じるもの、リバイバルしてんなこれという曲もいくつか発見できたりして、音楽鑑賞の楽しみを改めて噛み締めた一年でもあります。

 そんなわけで、2022年にリリースされた邦楽の曲の中から特に耳に残った曲を5曲紹介したいと思います。備忘録的な意味合いも強いですが、共感したり発見していただければ幸いです。

ショック!/サカナクション


 メジャーなバンドがこういう挑戦的な曲を発表するっていうのが良いですね。「アフロビート+歌謡曲」みたいな組み合わせになると思いますが、ちゃんとポップに聞こえるように歌モノとしてしっかりとしているのが中毒性の高いポイントでもあります。

 これを聴いたことでフェラ・クティを聴いたり、じゃがたらを聞き返してみたり、比較的最近の作品だとドレスコーズの『平凡』なんかを思い出したりしました。

 大体30年周期でリバイバルが起こることを考えると、ユーロビートとかもこれから来るんでしょうか。もう来てるのかもしれませんが。

さよならクレール/中村佳穂


 衝撃を受けたという意味では去年聴いた曲の中でも一番だと思います。中村佳穂さんの歌声は言わずもがななのですが、ここにドラムンベース的な音がのっかることで、力強さと儚さが合体したような刹那的なきらめきを感じさせる曲となっています。おそらくこの曲の完成度がここまで高くなっている理由は音の重なり方が大きいんだと思います。つまり編曲が素晴らしいってことですね。

Lonely/yonawo


 ひたすらに心地よい。yonawoの曲は洒落たBGMのようでもありますが、一人で浸るように聞き入るのがたまらなく心地よいですね。この曲は瑞々しい坂本慎太郎なんて例えをしたら双方にメリットのないような褒め言葉になりそうですがそういう系統の良さを感じさせます。
 
 退廃的な雰囲気をまといながらも、かといって枯れてはいないという絶妙な質感がぐっと来ますね。

光るとき/羊文学


 アニメ「平家物語」のOPにもなっている曲です。
 
 羊文学もメジャーデビューして久しいですが、平家物語というストーリーとタイアップさせるというのは良さを発揮する相手としてこの上ない題材だと思いますね。有名な歴史物語という誰もが終わりを知っている話、しかもその終わりは決してハッピーエンドではなく滅亡という形を迎えるわけです。しかし、その歴史の中を生き抜いた人々の姿が物語として魅力的であるというのは人生にも通じるものがあります。

 ”最終回のストーリーは初めから決まっていたとしても”という物語とのリンクを感じさせる歌詞と羊文学の音楽性が見事にマッチした素晴らしい一曲です。

オセロ/TOMOO


 往年のポップスをいいとこ取りしたような感じがして好きな曲でもあり好きなアーティストでもあります。いい感じに音域が高くないので、最近にしては歌いやすさも兼ね備えているし、いい感じに洒落てるしで売れそうな要素は多分に含んでいる気もするんですよね。単純に曲として親しみやすいという点で印象に残った曲でもあります。

 

まとめ

 5曲で絞ってみましたが、こうして聞き返したりリリース時期を確認するとぎりぎり2021だったり2023だったりして時の流れを感じました。今回紹介した5曲以外だと「おかしな気持ち/小原綾斗とフランチャイズオーナー」なんかもけっこう聴いていました。6曲にしたほうが良かったかもしれません。

 全体的に落ち着いた曲が多いかもしれないと思いましたが、並べてみると案外刺激的でしたね。2023はまたどうなるか楽しみです。

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