2011年リリースの3曲入りシングル。
時期としては『Family Record』と『Citizen Soul』の間にリリースされたものになるが、どちらかというと『Citizen Soul』以降の音に近いものを感じる内容になっている。全体的には静と動が上手い具合に混じり合った構成である。
M1″笛吹き男”はある街の喧騒のような音から始まる。穏やかでありながらなめらかに流れていく美しい曲だ。日常の風景を切り取ったような木漏れ日を感じる。
M2″市民”では打って変わって血なまぐさい金属質なギターがかき鳴らされる。歌詞としてもなかなかに物騒な光景が繰り広げられており、合間合間でふっと静かにナタリはするものの、相変わらず穏やかではなく、攻撃的な音楽となっている。
M3″子供たち”になると嵐が過ぎ去ったかのように穏やかにはなるものの、最後の最後に唐突に終りを迎える。不意をつくような終わり方に最初に聴いたときは思わず不具合ではと勘違いしたほどだった。3曲を通して繰り広げられた物語はにわかに影を落とすことになる。
こういったシングル曲はアルバム主体で聴いていると聞き逃しがちではあるが、シングルにもアルバムのような面白さが含まれているのがピープルの良いところだと思う。サブスク等では気軽に聞けるはずなので、ぜひ聴いてほしい。
『Lovely Taboos』(Amazon)
1.笛吹き男
2.市民
3.子供たち
