【感想】People In The Box-『Lost Tapes』

 2012年リリースのシングル。
 
 4曲のうち2曲がスプリットシングルからの再録、1曲がアコースティックカバーとPeople in the boxにしては珍しい形態でのシングルリリースである。1,2曲目はかなり変拍子みが強い曲が並んでおり、癖はあるものの中毒性の高い曲が収録されている。

 M1″ユリイカ”はさながらジェットコースターのような緩急のある曲で、最後のハレルヤ的な終わり方も相まって短めながらも内容の濃いものとなっている。目まぐるしさすら覚えるものの、曲としては割りと聞き心地が良いという妙な感覚に陥る。

 M2″見えない警察のための”はつんのめってしまいそうなリズムで曲が進行していく。「薬局」や「洗剤」といった地に足付いたワードが並べられており、歌詞としてはかなり現実的なようで、逆に非日常的な印象になっているのが面白い。わかりやすく変拍子な曲なので、そういったものを楽しむのにはうってつけである。

 M3″天使の胃袋(アコースティック)”は元の疾走感がアコースティックになったことでマイルドになっており、むしろ童話的に聞こえてくる。アプローチの違いで見せる顔が大きく変わるというカバーの醍醐味を味わえる。

 全体を通してもだいぶ異質なシングルとなっている。面白い曲が詰まっているので、入手できればぜひ聴いてほしい。サブスクでは気軽に聞けるはず。

『Lost Tapes』
1.ユリイカ
2.見えない警察のための
3.天使の胃袋(Acoustic ver)
4.悪魔の池袋(24時ver.)

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