【感想】People In The Box-『Calm Society』

 2015年リリースのシングル。

ミニアルバム『Talky Organs』とつながっている部分もあり、両者を一周した上で聴き直すと新しい発見を感じるかもしれない。

 M1″海はセメント”
 People in the boxの中で一番好きな曲と言っても過言ではない。音の作り方や音楽性、物語性といったあらゆる要素が研ぎ澄まされていると思う。張り詰めた水平線のような空気が流れる中で荒廃した世界が浮かび上がっていくさまが理想的ですらある。7分超と長めの曲だが、曲としての完成度があまりにも好みで何度も聴いている。

 M2″数秒前の果物”は遊び心に溢れた小気味よい曲。リズムよく展開していく面白い曲だ。

 M3″きみは考えを変えた”ではなんとも穏やかな終わり方で締められ、どことなく懐かしさを感じるような雰囲気を醸し出している。温かくも冷たくもない音楽というイメージをこれまで抱いていたが、この曲に関して言えばこれまであまり見られなかったような前向きさみたいなものが出ているようなきがする。

 最近の作品の流れに通じる部分、特に『Kodomo Rengou』以降の作風に近いところもあり、『Talky Organs』よりも新しく感じるが、リリース時期はこちらのほうが少し早かったりする。”海はセメント”が収録されているというだけでも大きな意味のあるシングルだ。

『Calm Society』
1.海はセメント
2.数秒前の果物
3.きみは考えを変えた

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